運送会社の保有台数ランキングを調べていると、「どの会社が車両を多く持っているのか」「台数が多い会社は輸送力も高いのか」と気になることがありますよね。
一方で、公開されている車両台数は公表時期や集計範囲が会社ごとに異なるため、数字だけを見て単純に比べるのは難しい面もあります。
この記事では、大手運送会社の保有台数ランキングを分かりやすく整理しながら、ランキングを見るときに確認したいポイントを解説します。
大型・中型・小型といった車種ごとの特徴や、依頼先・転職先を選ぶ際に台数以外で見ておきたい条件も紹介するので、自分の目的に合った運送会社を見極めるヒントが見つかります。
この記事でわかること
- 大手運送会社5社の保有台数ランキング
- 保有台数を比較するときに公表時期や集計範囲を確認すべき理由
- 大型・中型・小型など、車種別台数から読み取れる配送の特徴
- 運送会社選びや転職先選びで、保有台数以外に確認したいポイント
大手運送会社の車両保有台数ランキング

公開情報をもとに大手運送会社5社の保有台数を比べると、ヤマト運輸が約4万8,000台で最も多く、佐川急便が約2万6,000台で続きます。
その後は西濃運輸、日本通運、福山通運の順となり、全国規模で集配や幹線輸送を行う会社ほど多くの車両を持つ傾向が見られます。
以下の順位は、各社が会社概要や公開資料で示している車両数をもとに、分かりやすく概数で整理したものです。
公開情報で比較した保有台数の一覧
大手5社のうち、保有台数が最も多いのはヤマト運輸です。
ヤマト運輸と佐川急便は宅配便を中心に全国へ配送網を広げており、他社と比べても台数に大きな差があります。
| 順位 | 会社名 | 公表されている保有台数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ヤマト運輸 | 約4万8,000台 | 宅配便を中心に幅広い地域をカバー |
| 2位 | 佐川急便 | 約2万6,000台 | 法人向け・宅配便の配送網が大きい |
| 3位 | 西濃運輸 | 約1万4,000台 | 特積み輸送や企業間物流に強み |
| 4位 | 日本通運 | 約1万1,000台 | 国内物流から国際物流まで幅広く展開 |
| 5位 | 福山通運 | 約4,000〜5,000台 | 企業間輸送を中心に全国へネットワークを展開 |
1位のヤマト運輸と2位の佐川急便だけで、5社のなかでも特に大きな車両網を形成しています。
一方で、西濃運輸、福山通運、日本通運も、それぞれ得意とする荷物や物流サービスに合わせて多くの車両を運用しています。
ヤマト運輸と佐川急便の保有台数
ヤマト運輸は約4万8,000台を保有しており、今回比較した会社のなかでは最大規模です。
宅配便では細かなエリアまで荷物を届ける必要があるため、集配用の車両を全国に配置しています。
とくに日常的に小口配送を利用する人にとっては、街中で見かける機会が多い運送会社といえるでしょう。
佐川急便は約2万6,000台で、ヤマト運輸に次ぐ台数です。
法人向けの荷物や通販商品の配送にも対応しており、都市部から地方まで広い範囲で車両を活用しています。
ヤマト運輸との差はあるものの、2万台を超える保有規模は国内でも大きな水準です。
西濃運輸と福山通運の保有台数
西濃運輸の保有台数は約1万4,000台で、5社のなかでは3位に位置します。
企業間で荷物を運ぶ特積み輸送を主力の一つとしており、営業所間を結ぶ車両と集荷・配達を担う車両を使い分けています。
福山通運の保有台数は約4,000〜5,000台です。
西濃運輸と同じく企業向け輸送で知られ、全国の拠点を結ぶ輸送サービスを展開しています。
台数だけを見ると上位2社より少なく見えますが、企業間物流に対応するための車両ネットワークを持つ大手運送会社です。
日本通運の保有台数
日本通運の国内における車両数は約1万1,000台が目安です。
保有台数の順位では西濃運輸に続く位置ですが、日本通運はトラック輸送以外にも鉄道、海運、航空などを組み合わせた物流サービスを手がけています。
そのため、車両数だけでは見えにくい部分もありますが、国内物流を支える大手企業の一社として多くの車両を運用しています。
最新ランキングは各社の公表時期をそろえて確認する

運送会社の保有台数ランキングを比べるときは、できるだけ同じ時期に公表された数字でそろえることが大切です。
掲載されている台数が多くても、公表年度や基準日が異なれば、そのまま順位の差とは判断しにくくなります。
「いつ時点の台数か」を確認してから比較することで、ランキングをより正確に読み取れます。
公式サイトや統合報告書を主な出典とする
保有台数を調べる際は、各運送会社が公開している公式サイト、会社案内、統合報告書、決算関連の資料を主な出典にすると確認しやすいです。
これらの資料には、車両数だけでなく、数字の基準日や対象となる年度が記載されていることがあります。
とくに統合報告書や会社案内は、企業の事業規模を示す情報として車両数が掲載されやすく、比較の出発点として役立ちます。
一方で、公式サイトの採用ページやサービス紹介ページでは、古い会社案内の数字が残っている場合もあります。
そのため、数字を見つけたら掲載ページの更新日・資料の発行日・台数の基準日まで確認するのがおすすめです。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 出典 | 公式サイト、統合報告書、会社案内などか |
| 発行時期 | 資料がいつ公開・発行されたものか |
| 基準日 | 何年何月時点の車両数なのか |
| 更新状況 | より新しい資料が公開されていないか |
| 記載方法 | 「約○台」か、具体的な台数か |
ランキング記事や比較サイトは情報を一覧で見られる便利さがありますが、元となる出典が明記されているかも見ておきたいところです。
出典が分かれば、自分でも原資料を確認でき、数字の背景を確かめやすくなります。
複数社を比較するなら、同じ種類の資料を中心に集めると、確認作業がスムーズです。
公表年度が異なる台数は単純比較に注意する
たとえば、ある会社が2025年度末の台数を公表し、別の会社が2023年度時点の台数を掲載している場合、数字だけを並べても同条件の比較にはなりません。
車両は増車、入れ替え、事業再編、グループ内での配置変更などによって、年度ごとに台数が変わる可能性があります。
そのため、古い資料の台数が少ないからといって、現在も同じ順番だとは限りません。
ランキングとして見るなら、基準日が近いデータを優先するのが基本です。
- 同じ年度、または前後1年程度の資料をそろえる
- 基準日が不明な数字は、順位づけの根拠として慎重に扱う
- 最新資料がない会社は、台数の横に公表時期を添えて見る
- 「現在」「約」といった表現は、掲載日も合わせて確認する
完全に同一時点の数字を集められないときは、無理に厳密な順位を決めるより、「公表時期に差がある参考順位」として読むほうが自然です。
特に台数が近い会社同士では、資料の年度差によって見え方が変わることもあります。
保有台数ランキングは一度見たら終わりではなく、各社の新しい資料が出たタイミングで確認し直すと、より納得感のある比較につながります。
保有台数は会社ごとに集計範囲が異なる

運送会社の保有台数を比べるときは、数字の大きさだけでなく「何を含めた台数なのか」を確認することが大切です。
単体企業のみの台数なのか、グループ全体の台数なのかによって、同じ「保有台数」でも意味が変わります。
集計範囲が異なる数字をそのまま並べると、実際の車両規模とは違う印象になることがあります。
会社案内、採用情報、統合報告書、事業紹介などでは、車両台数の表現や数え方がそれぞれ異なります。
ランキングを見る際は、台数の近くにある注記や、資料内の「連結」「グループ」「自社車両」といった言葉まで目を通すと安心です。
単体とグループ全体を区別する
大手運送会社には、地域会社や専門会社を傘下に持つ企業グループが多くあります。
そのため、親会社1社だけの車両を示す場合と、グループ各社の車両を合計して示す場合では、台数に大きな差が出ます。
たとえば宅配、幹線輸送、引越、倉庫配送などを別会社で運営しているグループでは、全体の合計台数が大きくなりやすい傾向があります。
一方で、単体の数字は、その会社自身が直接管理する車両規模を把握しやすい数字です。
| 集計の単位 | 台数に含まれやすい範囲 | 確認したい表記 |
|---|---|---|
| 単体 | 掲載企業1社が保有・使用する車両 | 単体、当社、自社 |
| グループ全体 | 親会社と子会社・関連会社を含む車両 | 連結、グループ全体、グループ会社 |
| 事業部門単位 | 特定の輸送サービスや地域部門の車両 | 物流部門、配送部門、国内事業 |
単体台数とグループ全体の台数は、同じ条件として比較しないことが基本です。
資料に集計単位が書かれていない場合は、会社概要の組織図や事業内容も見ながら、どこまでを対象にした数字かを判断します。
自社所有車とリース車の扱いを確認する
車両を自社で所有する運送会社もあれば、リース契約の車両を活用する運送会社もあります。
公表される「保有台数」が、所有している車両だけを指すのか、実際に事業で使用しているリース車も含むのかは、会社ごとに異なる場合があります。
リース車を使っていても、その会社が日常的に運行・管理しているなら、輸送体制を考えるうえで無関係とはいえません。
ただし、会計上の資産として数える「所有」と、現場で使える「使用」を同じ意味で扱うと、比較が分かりにくくなります。
「保有車両」なのか、「稼働車両」なのかを確認する。
リース車を含む旨の注記があるかを見る。
レンタル車両や短期利用車両の扱いが分かる場合は、あわせて確認する。
公開資料の表現が簡潔なときは、所有形態まで細かく示されていないこともあります。
その場合は、数字を厳密な所有台数として受け取るより、その会社が運用する車両規模の目安として見ると理解しやすいです。
協力会社や委託先の車両は含まれない場合が多い
運送会社の配送網は、自社の車両だけで成り立っているとは限りません。
協力会社や委託先の事業者と連携し、地域配送、繁忙期の輸送、特定エリアの集配などを担うケースもあります。
こうした外部事業者の車両は、発注元の運送会社が直接保有しているわけではないため、一般には保有台数へ含まれない場合が多いです。
つまり、自社保有台数が比較的少なく見えても、連携先を含めた配送ネットワークまで小さいとは限りません。
反対に、多数の自社車両を持つ会社でも、荷物の種類や配送地域によっては外部との連携を活用しています。
保有台数の数字はあくまで直接保有・直接運用する車両の規模を示す指標の一つであり、連携先の車両まで含めた輸送網全体を表す数字ではない点を押さえておきましょう。
営業車や軽自動車を含む総車両数に注意する
「車両数」や「保有車両数」という表記には、荷物を運ぶトラック以外の車両が含まれることがあります。
営業担当者が使う乗用車、拠点間の移動に使う車両、軽自動車などを合計した総数として公表しているケースです。
特に軽貨物配送を扱う会社では、軽自動車が輸送の中心的な役割を持つこともあるため、単に除外すればよいわけではありません。
大切なのは、比較したい目的に対して、どの車両まで含める数字が適しているかをそろえることです。
| 表記の例 | 含まれる可能性がある車両 | 読むときのポイント |
|---|---|---|
| トラック保有台数 | 貨物輸送用の車両 | 輸送用車両に絞った数字か確認する |
| 総車両数 | トラック、軽自動車、営業車など | 貨物車以外の内訳を確認する |
| 事業用車両数 | 営業用として登録・使用する車両 | 会社独自の定義や注記を見る |
ランキング用に数字を整理するなら、「グループ全体か」「リース車を含むか」「協力会社の車両は対象外か」「総車両数か」といった条件を横にメモしておくと便利です。
台数そのものだけで順位を判断せず、同じ基準で集計された数字同士を比べることで、各社の規模をより自然に読み取れます。
大型・中型・小型など車種別の台数も比較できる

運送会社の規模や得意な配送を知りたいなら、総保有台数だけでなく大型・中型・小型といった車種別の台数にも注目すると分かりやすくなります。
大型車が多い会社は長距離の幹線輸送、中型車が充実した会社は拠点間輸送、小型車や軽自動車が多い会社は宅配・近距離配送に強みを持つ傾向があります。
どの車種が多いかは、その会社がどんな荷物を、どの距離で運んでいるかを読み取るヒントになります。
| 主な車種 | 活躍しやすい輸送 | 向いている荷物・場面 |
|---|---|---|
| 大型トラック・トレーラー | 長距離の幹線輸送 | 工場から物流拠点への大量輸送、パレット貨物 |
| 中型トラック | 拠点間輸送、地域配送 | 店舗納品、地域の物流センターへの配送 |
| 小型トラック | 近距離配送、細かな集配 | 住宅地や商店街への配送、小口貨物 |
| 軽自動車 | 宅配、即日配送 | 小型荷物、狭い道路への配送 |
大型トラックとトレーラーは幹線輸送で活躍する
大型トラックやトレーラーは、一度に多くの荷物を運べるため、物流拠点や工場を結ぶ幹線輸送の中心的な車両です。
幹線輸送とは、主要な物流センター同士や、生産地と消費地をつなぐ比較的長い区間の輸送を指します。
高速道路を使った夜間運行や、決まったルートでの定期輸送にも活用されやすい車種です。
大型車の保有台数が多い会社は、飲料、食品、建材、工業製品など、まとまった量の貨物を安定して運ぶ体制を整えている場合があります。
特にトレーラーは、荷台部分を切り離せる構造を生かし、港湾や工場、物流センターでの効率的な積み替えに用いられることがあります。
大型車の台数だけを見るのではなく、長距離輸送や重量物輸送を扱うかも一緒に確認することが大切です。
なお、大型車には冷蔵・冷凍設備付き、タンク形状、平らな荷台など、荷物に応じたさまざまな種類があります。
中型トラックは拠点間輸送に使われやすい
中型トラックは、積載量と取り回しやすさのバランスがよく、物流センターから地域の拠点へ荷物を運ぶ場面で使われやすい車種です。
大型車では入りにくい道路や、配送先の駐車スペースが限られる場所にも対応しやすいため、幅広い業種で活躍しています。
たとえば、食品スーパーや小売店への納品、企業向けの定期配送、地域内のセンター間輸送などで中型車が使われることがあります。
中型車の比率が高い会社は、全国規模の長距離輸送と、地域に根差した配送の間をつなぐ役割を担っている可能性があります。
また、荷台の形状によっても用途は異なり、荷物を箱型の荷台に積む車両、温度管理ができる車両、荷役装置を備えた車両などが運用されます。
車種別台数を見るときは、中型という区分だけで判断せず、主な配送エリアや扱う貨物も確認するとイメージしやすくなります。
小型トラックと軽自動車は宅配に向いている
小型トラックと軽自動車は、住宅地や商業地などの細い道路を走りやすく、宅配や近距離の集配で力を発揮します。
一件ごとの荷物は小さくても配送先が多い小口配送では、機動性のある車両を適切に配置することが重要です。
小型トラックは、法人への配達や店舗への納品、複数の荷物をまとめて届けるルート配送などにも使われます。
軽自動車は、書類、小型の通販商品、少量の荷物を届ける配送で活用されることが多く、都市部のきめ細かな配送網とも相性があります。
小型車・軽自動車の台数が多いことは、配送先に近い場所まで届ける機能を重視している目安の一つです。
ただし、宅配を手掛ける会社であっても、集荷した荷物を大規模な拠点へ運ぶために大型車や中型車を組み合わせているケースがあります。
そのため、最終配送を担う小型車だけでなく、各車種の構成を全体として見ると、物流の流れをつかみやすくなります。
フォークリフトなどは車両台数と分けて見る
物流センターや倉庫では、トラック以外にもフォークリフト、けん引車、構内運搬車などの設備が使われています。
これらは荷物の積み降ろしや倉庫内の移動を支える重要な機械ですが、一般的には公道を走って荷物を届けるトラックとは役割が異なります。
そのため、運送会社の輸送力を確認する際には、トラックの保有台数と倉庫内で使う機械の台数を分けて見ると整理しやすくなります。
- 大型・中型・小型・軽自動車:配送や拠点間輸送の体制を見たいときに確認する
- フォークリフト:荷役や倉庫作業の対応力を知りたいときに確認する
- 冷蔵・冷凍設備付き車両:温度管理が必要な荷物への対応を見たいときに確認する
- 特殊な荷台を持つ車両:建材、重量物、液体などの専門輸送を見たいときに確認する
車種別の内訳は、単純な台数の多さよりも、会社ごとの輸送サービスの特徴を知るために役立つ情報です。
自分が運びたい荷物や依頼したい配送エリアを思い浮かべながら、必要な車種がそろっているかを見てみるとよいでしょう。
保有台数の多さは輸送力を測る目安の一つ

運送会社の保有台数が多いほど、一定期間に動かせる車両の選択肢が増えるため、輸送力を判断する際の参考になります。
ただし、実際にどれだけ荷物を運べるかは、車両数だけで決まるものではありません。
営業所や物流拠点の配置、荷物への対応設備、協力会社との連携まで含めて確認することが大切です。
たとえば、同じ保有台数でも、配送先の近くに拠点が多い会社と、限られた地域に車両が集中している会社では、依頼への対応しやすさが変わる場合があります。
また、車両が稼働している割合や配車の仕組み、荷物を積み替える拠点の運用状況も、日々の輸送量に関わる要素です。
全国対応力は営業所や物流拠点の配置にも左右される
全国規模での輸送を考える場合、保有台数に加えて、営業所、配送センター、物流倉庫がどこに置かれているかを見る必要があります。
主要都市や高速道路の出入口付近に拠点があれば、集荷・配送や拠点間輸送の動線を組み立てやすくなるためです。
車両が多くても、目的地の近くに拠点がなければ、集荷や配送の調整に時間がかかることがあります。
| 確認する項目 | 輸送力との関わり |
|---|---|
| 営業所の配置 | 集荷や配送を受け持てる地域の広さ |
| 物流拠点の配置 | 荷物の積み替えや方面別の仕分けのしやすさ |
| 幹線道路へのアクセス | 拠点間を移動する際の運行計画の立てやすさ |
| 地域ごとの運行体制 | 離島や山間部を含む配送エリアへの対応状況 |
特に、複数の地域をまたいで荷物を運ぶ場合は、出発地と到着地の両方で対応できる拠点網があるかを確認すると、輸送の流れをイメージしやすくなります。
保有台数ランキングを見るときも、台数の順位だけでなく、各社がどの地域に強みを持つのかをあわせて見るとよいでしょう。
荷物の種類によって必要な車両や設備が変わる
輸送力は、運べる荷物の量だけではなく、荷物の性質に合った運行ができるかによっても変わります。
一般的な段ボール製品を運ぶ仕事と、温度管理が必要な食品、時間指定が細かい荷物、荷役に配慮が必要な製品を運ぶ仕事では、求められる体制が異なります。
そのため、全体の保有台数が多い会社でも、特定の荷物に対する対応力は、設備や運用体制によって差が出ることがあります。
温度管理が必要な荷物では、保管中から配送中までの管理体制が重要になります。
壊れやすい荷物では、積み込み方法や固定方法、取り扱い手順への配慮が求められます。
納品時間が決まっている荷物では、時間に合わせて配車や到着予定を調整する仕組みが役立ちます。
大量の荷物を扱う場合では、仕分けや積み替えを行う拠点の処理体制も確認したいポイントです。
保有台数は「運べる可能性の広さ」を示す情報であり、すべての荷物に同じように対応できることを示すものではありません。
依頼内容に合う輸送体制があるかを知りたいときは、荷物の特性と必要な作業を整理してから、会社の対応分野を確認することが大切です。
繁忙期の対応力には協力会社のネットワークも関係する
年末年始や大型連休前、季節商品の出荷時期などは、通常よりも輸送の依頼が増えることがあります。
こうした時期の対応力は、自社で保有する車両だけでなく、協力会社とどの程度連携できるかにも左右されます。
協力会社とのネットワークが整っている場合は、配送エリアや荷物量に応じて運行を分担し、急な物量の変化に対応しやすくなるケースがあります。
一方で、繁忙期の受け入れ可否や配送日数は、道路状況、荷物の内容、依頼の時期、地域ごとの運行状況などによって変わります。
そのため、台数が多い会社であっても、希望する日程での対応が常に可能とは限りません。
繁忙期に輸送を依頼する予定があるなら、早めに荷物量、配送先、希望日を共有し、対応可能な範囲を確認することが安心につながります。
保有台数は運送会社の規模や輸送体制を知るための分かりやすい指標です。
ただし、実際の輸送力をより正確に見るには、拠点網、荷物への対応力、繁忙期の連携体制を組み合わせて捉えることが重要です。
保有台数と売上高・従業員数・拠点数の順位は一致しない

運送会社を比較するときは、保有台数が多い会社ほど、売上高や従業員数、拠点数でも上位になるとは限りません。
それぞれの数字は示している内容が異なるため、ランキングを見る際は「何を基準にした順位か」を分けて確認することが大切です。
保有台数は車両の規模、売上高は事業規模、従業員数は人員構成、拠点数はネットワークの広がりを読み取る材料として考えると、各社の特徴をつかみやすくなります。
| 比較する数字 | 主に分かること | 順位が一致しにくい主な理由 |
|---|---|---|
| 保有台数 | 自社車両の規模 | 協力会社の活用方法や車種構成が異なるため |
| 売上高 | 事業全体の取引規模 | 倉庫、国際輸送、物流管理などの事業範囲が異なるため |
| 従業員数 | 人員の規模や業務の内製化の度合い | 運転以外の職種、グループ会社、雇用形態の扱いが異なるため |
| 拠点数 | 営業・配送・保管ネットワークの広がり | 拠点の役割や規模、地域ごとの配置が異なるため |
売上高は物流事業の範囲によって差が出る
売上高には、トラックによる輸送の料金だけでなく、倉庫での保管や荷役、物流センターの運営、通関を含む国際物流、物流業務の受託などが含まれることがあります。
そのため、車両を多く保有していなくても、物流センター運営や専門性の高いサービスの比重が大きい会社は、売上高が大きくなる場合があります。
反対に、自社車両を中心に国内輸送を担う会社は、保有台数が多くても、売上高の比較では別の位置になることがあります。
売上高ランキングを見るときは、連結売上高か単体売上高か、物流以外の事業が含まれているかを確認することが重要です。
たとえばグループ全体の売上高には、運送以外の関連事業が含まれることもあるため、車両台数との単純な比較はしにくくなります。
輸送会社としての規模を見たい場合は、売上高だけで結論を出さず、輸送部門の構成や主力サービスもあわせて確認するとよいでしょう。
従業員数だけでは実際の配送体制を判断できない
従業員数が多いことは、必ずしも自社で運行するドライバーが多いことと同じではありません。
物流企業にはドライバーのほか、倉庫作業員、事務職、営業職、システム担当、管理部門など、さまざまな職種の人が在籍しています。
また、協力会社への委託を活用する割合や、グループ会社を含めるかどうかによっても、公表される従業員数の見え方は変わります。
- 単体の従業員数か、グループ全体の人数か
- 正社員以外を含む人数か
- 運転業務以外の職種が多い事業構成か
- 協力会社との役割分担をどのように行っているか
このような違いがあるため、従業員数が保有台数より多い、または少ないという数字だけでは、日々の配送体制を正確に読み取れません。
人員規模を比較する際は、人数そのものよりも、どの業務を自社で担っている会社なのかに目を向けることがポイントです。
拠点数と配置は地域対応力を比べる材料になる
拠点数は、運送会社がどの地域にネットワークを持っているかを知るための分かりやすい指標です。
ただし、拠点が多い会社が、すべての地域で同じように強いとは限りません。
営業所、配送センター、物流センター、倉庫、ターミナルなどは役割が異なり、1拠点あたりの規模にも差があります。
全国に小規模な営業所を広く配置している会社もあれば、主要都市や物流拠点に大型施設を集中させている会社もあります。
そのため、拠点数の順位だけを見るよりも、自分が確認したい地域に必要な機能を持つ拠点があるかを確認するほうが実用的です。
比較するときは、次のような点を見ておくと、数字の違いを理解しやすくなります。
- 希望する地域に営業所や配送拠点があるか
- 都市部、地方、港湾・空港周辺のどこに強みがあるか
- 配送拠点と保管拠点のどちらが多いか
- 拠点の数だけでなく、主要拠点の役割が明示されているか
保有台数、売上高、従業員数、拠点数は、どれも会社の一面を示す数字です。
ランキングを参考にする際は、一つの順位で会社全体を判断せず、比較したい目的に合う指標を選ぶことが大切です。
地域や荷物に合う運送会社は台数以外の条件で選ぶ

運送会社を選ぶときは、保有台数の多さだけでなく、依頼したい地域を安定してカバーできるか、荷物の特性に対応できるかを確認することが大切です。
自社の配送条件と運送会社の得意分野が合っているかを見れば、規模だけでは分からない依頼のしやすさを判断できます。
見積もりを依頼する前に、対応エリア、集荷・納品の条件、車両設備、荷役方法などを具体的に照らし合わせておくと安心です。
対応エリアと営業拠点を確認する
全国対応と案内されている運送会社でも、地域によっては自社便ではなく協力会社との連携で配送している場合があります。
そのため、発送地と納品先の両方について、定期便の有無や集荷可能な曜日・時間帯を確認することが重要です。
特に地方部、離島、山間部、時間指定が必要な配送では、通常の配送条件とは異なる扱いになることがあります。
「届けられるか」だけでなく、「どの頻度・条件なら届けられるか」まで確認しましょう。
発送地と納品先が通常の対応エリアに含まれているか。
集荷と納品に対応できる曜日、時間帯、締切時刻はいつか。
定期配送、スポット配送、緊急配送のどれに対応しているか。
納品先で待機時間や予約受付が必要な場合に相談できるか。
地域ごとの窓口や担当営業所を確認できるか。
営業所や配送拠点が発送地・納品先の近くにあると、集荷や問い合わせを進めやすいケースがあります。
ただし、拠点が近くても荷物の種類や配送条件に対応できるとは限らないため、所在地だけで決めないことがポイントです。
問い合わせ時には、荷物の出荷量、配送頻度、希望納期、納品先の条件を伝えると、対応の可否を確認しやすくなります。
得意な荷物と保有車種を確認する
運送会社には、それぞれ扱いやすい荷物や輸送方法があります。
たとえば、常温の段ボール商品を中心に扱う会社、温度管理が必要な荷物に対応する会社、建築資材のような長尺物を扱う会社では、必要な車両や作業の進め方が異なります。
荷物の形状、重量、温度帯、壊れやすさ、積み降ろし方法を整理してから相談すると、条件に合う会社を探しやすくなります。
| 荷物・配送条件 | 確認したい車両・設備の例 |
|---|---|
| 温度管理が必要な食品や原料 | 冷蔵・冷凍設備、温度帯ごとの管理体制 |
| パレット積みの商品 | フォークリフトを使った荷役への対応、荷台の仕様 |
| 家具・精密機器・割れ物 | 固定用資材、振動や破損に配慮した取扱体制 |
| 建材・機械・長尺物 | 平ボディ車、荷役用装置、固縛への対応 |
| 小口の通販商品や店舗向け商品 | 複数配送先へのルート配送、時間帯指定への対応 |
保有車種を確認する際は、単に車両名を見るだけではなく、荷台の大きさ、荷役設備、温度管理の可否、積載方法まで聞くと具体的です。
また、荷物を安全に扱うための梱包条件や、納品先で必要な作業がある場合は、事前に共有しておく必要があります。
「何を運ぶか」と「どう積み降ろすか」をセットで伝えることが、認識違いを減らすコツです。
運送事業者の検索データベースも活用する
候補となる運送会社を探す際は、会社の公式サイトだけでなく、運送事業者を検索できる公開データベースや業界団体の検索ページも活用できます。
所在地や対応地域、事業内容などで絞り込める情報があれば、希望条件に近い会社を見つける入口になります。
国土交通省や地方運輸局、トラック協会などが案内する情報を確認する場合も、掲載内容の更新時期や検索条件をよく確認しましょう。
発送地、納品先、荷物の種類、配送頻度を先に整理します。
公開検索情報や公式サイトから、対応地域や取扱分野が近い会社を探します。
候補の会社へ配送条件を伝え、車両・荷役・納品条件への対応可否を確認します。
見積金額だけでなく、連絡体制や配送条件の説明が分かりやすいかも比較します。
検索データベースの情報は候補探しに役立ちますが、実際に依頼できるかどうかは個別の確認が必要です。
配送条件は荷物の量や時期、納品先の状況によって変わるため、最終的には運送会社へ具体的な内容を伝えて相談しましょう。
転職先としての評価は保有台数だけでは決まらない

運送会社へ転職する際は、保有台数の多さだけで働きやすさを判断せず、給与・休日・担当業務・教育体制をまとめて確認することが大切です。
車両が多い会社でも、配属先や担当コースによって勤務時間、扱う荷物、必要な資格などは変わります。
自分が無理なく続けられる働き方に合っているかを軸に、求人情報と面接時の説明を比較して選びましょう。
給与や休日などの求人条件を確認する
まず確認したいのは、月給の見え方だけではなく、基本給、各種手当、賞与の有無、休日数といった求人条件です。
運送会社の求人では、走行距離や配送件数、勤務時間帯によって手当の仕組みが異なることがあります。
提示されている収入例を見る場合も、どのような勤務条件での金額なのかを確認すると、自分の場合に当てはめやすくなります。
| 確認したい項目 | 見ておきたいポイント |
|---|---|
| 給与 | 基本給、固定手当、変動する手当、支給条件 |
| 休日 | 年間休日、固定休の有無、希望休の相談方法 |
| 勤務時間 | 始業・終業の目安、早朝・夜間勤務の有無 |
| 残業 | 発生しやすい時期、勤務管理の考え方 |
| 福利厚生 | 各種制度、資格取得支援、休暇制度 |
休日については、週ごとの休み方だけでなく、連休を取りやすいか、繁忙期の勤務がどの程度あるかも聞いておくと安心です。
求人票に書かれた内容に加えて、面接では一日の勤務例や休憩の取り方を質問すると、入社後のイメージを持ちやすくなります。
条件を比べるときは、収入だけを優先するのではなく、生活リズムや趣味の時間とのバランスも含めて考えることがおすすめです。
担当する車種と配送距離を確認する
ドライバー職は、担当する車種と配送距離によって、必要な免許、運転の感覚、勤務時間の組み立て方が大きく変わります。
同じ運送会社でも、小型車での近距離配送、中型車でのルート配送、大型車での長距離輸送など、複数の仕事を扱っている場合があります。
「トラックに乗る仕事」という大まかなイメージだけで決めず、実際の担当業務を確認することが重要です。
担当予定の車種と、必要になる免許・資格を確認します。
配送エリアが近距離中心か、県外への運行を含むかを確認します。
一日に回る配送先の件数や、荷積み・荷降ろしの方法を確認します。
手積み・手降ろしの頻度や、複数人で対応する場面があるかを確認します。
固定コースか、日によって配送内容が変わる仕事かを確認します。
たとえば、毎日ほぼ同じ地域を回る仕事は、道順や納品先を覚えやすい一方で、時間管理の正確さが求められることがあります。
一方で配送先が広い仕事は、さまざまな地域を走れる魅力がある反面、宿泊を伴う運行の有無や帰宅の頻度も確認しておきたいポイントです。
荷物の種類も働き方に関わるため、食品、建材、日用品など、何を扱う予定なのかを具体的に聞いておきましょう。
研修制度や安全への取り組みも比較する
未経験から運送業界に入る場合はもちろん、経験者であっても、入社後の研修や添乗指導の内容を確認することが大切です。
車種や荷物、配送先が変われば、これまでの経験をそのまま当てはめにくい場面もあります。
安心して仕事を覚えられる環境かどうかは、長く働くうえで見逃せない比較ポイントです。
求人情報や面接では、次のような点を確認してみてください。
入社後に座学、運転練習、先輩社員との同乗研修があるかを確認します。
独り立ちまでの目安と、習熟度に応じた相談の機会があるかを確認します。
車両の日常点検や運行前後の確認について、どのように教えているかを確認します。
体調や配送中の困りごとを相談できる連絡体制があるかを確認します。
資格取得を目指す場合に、支援制度や社内の相談先があるかを確認します。
研修の期間だけを見るのではなく、分からないことを質問しやすい雰囲気があるか、独り立ち後にも相談しやすいかという点にも目を向けましょう。
面接時には、「未経験者はどのような流れで業務を覚えますか」「配属後に困ったときは誰に相談できますか」といった聞き方をすると、具体的な説明を得やすくなります。
保有台数は会社の規模を知る材料の一つですが、転職先選びでは、自分の希望する働き方と業務内容が合うかを優先して比較することが納得につながります。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 大手運送会社の保有台数は、ヤマト運輸、佐川急便、西濃運輸、日本通運、福山通運の順に多い傾向があります。
- 保有台数のランキングは、公表時期や基準日をそろえて比較することが大切です。
- 単体企業かグループ全体かなど、各社で車両台数の集計範囲が異なります。
- 大型・中型・小型車の構成を見ると、得意な輸送や配送の特徴をつかみやすくなります。
- 保有台数は輸送力の目安ですが、拠点網や協力会社との連携も重要です。
- 車両台数、売上高、従業員数、拠点数の順位は必ずしも一致しません。
- 依頼先を選ぶ際は、対応エリア、荷物の種類、車両設備、集荷・納品条件を確認しましょう。
- 転職先を探す場合は、保有台数だけでなく給与、休日、業務内容、教育体制も比べることが大切です。
運送会社の保有台数ランキングは、各社の車両規模や事業の方向性を知るための分かりやすい参考情報です。
ただし、台数だけでは配送品質や働きやすさ、依頼時の相性までは判断しきれません。
荷物を送りたい場合は、自社の配送エリアや荷物の条件に合うかを確認し、複数社の案内や見積もりを比べてみましょう。
転職を考えている場合も、希望する働き方や担当したい業務を整理してから求人情報を見ると、自分に合う会社を選びやすくなります。
ランキングを入口にしながら、気になる会社の公式情報を一つずつ確認していけば、納得できる判断につながります。
